『アニー』名古屋公演での「鑑賞サポート」としての字幕制作に当事者モニターとして、参加しました!

8月29日に愛知県芸術劇場で上演される丸美屋食品ミュージカル『アニー』の「鑑賞サポート日本語字幕サービス」試写会に、ろう者・難聴者の当事者として参加しました。

今回の試写会では、単に「字幕の見やすさ」という点にとどまらず、字幕を通して舞台そのものの魅力をいかに伝えるかという視点から、制作に携わる皆さんと意見を交わしました。

『アニー』は子どもたちにも親しまれている作品ですが、登場人物が多く、セリフのテンポも速いのが特徴です。そのため、字幕を追いながら舞台を楽しめるか、文字量や表示タイミングは適切か、漢字とひらがなのバランスはどうかなど、実際の利用者目線から意見をお伝えしました。

特に、多くの登場人物が重なる場面では、話者の表記をどうするかは様々な意見が飛び交いました。

さらに印象的だったのは、音楽や声色、役者の演技など、聞こえる人には自然に伝わっている情報を「字幕でどこまで、どう表現するか」という議論です。

ミュージカルは、単にセリフを文字化するだけでは楽しめません。歌い方や声の強弱、感情のニュアンス、音楽の雰囲気、場面の盛り上がりといった「音の情報」こそが、作品の魅力を形作っているからです。

ろう者・難聴者にとって字幕は、単なる「セリフの文字起こし」ではありません。舞台上で起きていることを理解し、想像を膨らませ、役者の表現を味わうための大切な手がかりです。

今回の試写会では、当事者の声を制作段階から取り入れ、ひとつひとつ丁寧に検討していただけました。これはアクセシビリティを「後から付け加えるもの」ではなく、「作品づくりの一部として共に築くもの」と捉える意味で、非常に意義深い取り組みだと感じます。

もちろん、字幕にたった一つの正解はありません。年齢や聴力、字幕への慣れ、観劇スタイルによって求める情報は異なります。だからこそ、当事者が意見を伝え、制作側とともにより良い方法を模索していくプロセスが重要なのだと思います。

今回お伝えした意見が、8月29日に『アニー』を観るろう者・難聴者の皆さんにとって、舞台をより深く楽しむ助けとなれば幸いです。 そして字幕があることで、ろう者・難聴者だけでなく、家族や友人、聞こえる人も含めて、同じ舞台を共に楽しめる人が増えていくことを願っています。この取り組みが、今後のミュージカルや演劇における鑑賞サポートの新たな一歩となることを期待しています。

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