2025年12月、エスパス ルイ・ヴィトン東京にて開催された「障害のある人もない人も一緒に“Hors-les-murs(壁を越えて)”たのしむ 鑑賞アワー」に私たちmina te mari(ミナテマリ)は、ファシリテーターとしてこの時間をご一緒させていただきました。
鑑賞したのは現代美術を代表するアーティスト、アンディ・ウォーホルの名作から知られざる作品までを集めた展覧会「ANDY WARHOL – SERIAL PORTRAITS」です。
私たちは、身体を通じてアートと出会う鑑賞のかたちを大切にしています。
今回のワークショップでも、ろう者ならではの視点を起点に、参加者の皆さんがそれぞれどのように作品と向き合い、何に心を動かされるのか、その「向き合い方」を引き出すことを意識しながら進行しました。
サイレントな世界をベースにお互いに目と目を合わせ、同じ空間に立ち、作品の前で立ち止まる。
そんな静かな時間の中で、「好き」という気持ちや、ふとした違和感が、少しずつ浮かび上がっていくのを感じました。
参加者一人ひとりがそれぞれのペースで作品と向き合い、導き出した感じたことを、視線や身ぶり、表情といった非言語のやりとりで共有してくださいました。
誰かの見方に目をむけながら、また自分の感覚に立ち返る。
その行き来の中で、鑑賞の時間がゆっくりと深まっていく様子が、とても印象的でした。
今回の鑑賞アワーは、私たち自身にとっても、あらためて「アートを楽しむとはどういうことだろうか」と考える機会になりました。
作品の前に立つ一人ひとりが、どんな存在としてそこにいるのか。
そのこと自体が、鑑賞の大切な一部なのだと、参加者の皆さんの姿から教えていただいたように思います。
また、それこそがアンディ・ウォーホルが作品に込めた想いだったのかもしれないな、と感じました。
このような場をともにつくる機会をくださったNPO法人エイブル・アート・ジャパン/みんなでミュージアムの皆さま、そして、あたたかく迎え入れてくださったエスパス ルイ・ヴィトン東京の皆さまに、心より感謝申し上げます。
また、当日ご参加くださった皆さま一人ひとりのまなざしと存在が、この時間をかけがえのないものにしてくださいました。
本当にありがとうございました。
mina te mariはこれからも、ろう者の感覚や視覚的なコミュニケーションを手がかりに、誰もが自分のリズムでアートと出会える場づくりを続けていきたいと考えています。
この日の静かな鑑賞の時間が、それぞれの中で、また別の「好き」へとつながっていくことを願っています。
