今回の鑑賞は、ことばによらないアプローチが印象的な、余白のある時間となりました。
作品を前にすると、私たちはつい「うまく言わなければ」と言葉を探してしまいますが、今回は自然と手や身体が動き、時には感じたままに踊り出す場面もありました。
言葉にしなくてもいい、まとめなくてもいい。そんな安心感が場の空気をやわらかくし、やりとりを軽やかにしました。
「言葉以外で表現するのが楽しかった」という声もありました。
飽きていたのは対話そのものではなく、“言葉だけでやりとりすること”だったのかもしれません。
からだでの表現は、曖昧さや「なんとなくこう」という感覚もそのまま出せるため、参加者同士の関わりはどこまでも広がっていきました。
高島野十郎の作品はとても美しく、観る人それぞれに豊かな想像を膨らませました。
他の人の見方に触れながら、自分の感じ方を重ねていく過程も印象的でした。
また、オンライン開催だからこそ遠方からの参加も多く、途中で画面をオフにできる気軽さが、参加のハードルを下げていました。
一方で、リアルの場であれば全身の動きや空気感をより共有でき、さらに深い対話へとつながる可能性も感じられます。
見ることが少し自由になり、話すより先に感じてよいと思えた、豊かな鑑賞の時間となりました。
